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更新日 2008-11-08 | 作成日 2007-10-01

Master Velzy boards

History of Woodsurfboards

サーフボードの素材は"軽量化と防水"をテーマに進化してきました。
言い換えると、"乗り易さと耐久性"の追求の歴史です。
その中で、ウッドはどのように進化して来たのでしょうか?

woodの視点から見たサーフィン創世記。

wood blanksウッド・サーフボードは、大きく3種類あります。

  • 大木から削りだしたボード。
  • 一度サーフボードの形に削った木材を板状にスライスして、          中をくり貫いた後に、元の形に貼り直した"Chamber"ボード。
  • 骨組みに薄い外板を貼り合わせて形にしていく"Hollw"ボード。

このような、軽量化の為のウッド・サーフボード製作の技術は、船、ボート、カヌー、カヤックなど
”木材を使った、水の上を滑る乗り物”の進化と共にあります。

”西暦400年頃には、古代ポリネシア民族が、漁の帰りにボートを用いて波に乗る術を知り、
そこから木製の板に乗るようになった。”
”西暦1700年代、キャプテンクックが船でハワイに着いた時、
夢中で波に乗っている地元民がいた。”など、
既にサーフィン史の文中、絵には、サーフボード以外の木製の乗り物が出てきます。 

創世記のシェィパー達はそれらの技術を取り入れて、
より軽い乗り味を追求していきました。

丸太をくり貫いて形作る"くり舟"を
中空になるように貼り合わせることによって、
"Chamber"サーフボードになり、
そしてその"くり舟"の外壁に木の板を継ぎ足し、
補強の骨組みを付けた"ボート"や"カヌー"等に、
上から蓋をすることによって、
"Hollow"サーフボードにと、
それぞれ進化していきました。

Woodの衰退

Clark Foarm
1950年代に、
Bob・Simmons(ボブ・シモンズ)とHobie・Alter(ホビー・アルター)
そして仲間数名で、発泡させたPolystyrene(ポリスチレン)を、
エポキシFRPでコートするサーフボード製作技術を発表しました。

その頃のウッド・サーフボードは、軽量なバルサの木を使って、
ポリエステルFRPでコートする方法が主流でしたが、
それには問題点がありました。

  • アメリカ本土で使えるバルサが少なくなり、安定供給が難しい状況になってきた事。
  • バルサ材に限らず、木材の水分や"やに"がポリエステル樹脂との相性が悪く、剥離しやすい事。
  • 水がボード内部に入ると、すぐにバルサ材が腐り易い事。

その後、研究を重ね、発泡ポリウレタンを
サーフボードの心材として使う方法に辿り着きました。
軽くて、シェィプしやすく、安定供給、大量生産できる。
サーフィン史の革命的な出来事でした。

それ以降、ウッド・サーフボードはほぼ絶滅し、表舞台に出る事はなくなりました。

一方、木製の船やボート達はと言うと、同じように科学の波に押されて、
安くて生産性の高いポリエステルFRPそのもので形作ったり、
鉄などの工業製品になりましたが、需要はなくならず、細々と進化・発展していきました。

吹き始めた風

2005年12月5日に、サーフィン界に大事件が起こりました。
フォームブランクス業界の最大手”クラークフォーム社”が
突然事業を止めてしまったのです。

廃業理由については、諸説ありますが、
発泡させる際に使う化学薬品"TDI系イソシアネート"の
強い毒性による環境・人体への影響がその一つでした。

これをきっかけに、"軽量化と防水"がテーマだった進化に
"環境対応"へのバランスが要求されるようになり、
世界中から将来へのサーフボード素材開発が始まりました。

開発は大きく2つの方向に進み、より科学的な解決と、
原点回帰で、自然素材の木材を見直す道です。

前者は、毒性の少ない"MDI系イソシアネート"に切り替えたり、
その"MDI系イソシアネート"に、植物由来の原料を混ぜて発泡させる植物系ブランクスや、
リサイクル可能なEPSフォームを使ったボード、中空のカーボンボードなどがあります。

後者は、木製のボート、カヌー、カヤックなどの木組み技術の発展と、
強く、毒性の少ない接着剤によって、
薄く軽量化した"Hollw(中空)"ウッド・サーフボードとして、
現代サーフィン界にまた復活してきました。

今後は、環境に配慮した様々なサーフボードが出てくる中で、
ウッド・サーフボードは選択枝の一つとして、進化し続けるでしょう。

Bob Simmons

(ボブ・シモンズ) 
近代サーフィンの発展に
最も影響を与えた一人。

多方面に才能を発揮し、
特にボードデザイン理論では、
1940年代後半に、Duel Finsコンセプト(24インチ幅のテール両側に2つのフィンを付ける)を発表しました。

後にDuel Finsコンセプトは、
2つのテールを持つ
ツインピンテールになり、
スティーブ・リズ、スキップ・フライ達が進化させて、現在のサンディエゴ・スタイル・フィッシュボードの、
基本理念になっています。

Clark Foam社

Hobie surfboardsの工場で、
グラッシング担当だったGordon Clark(ゴードン・クラーク)が、
ホビー・アルターと共にポリウレタンの発泡技術を研究し、
1958年にサーフボードに最適なフォームブランクスを開発しました。

その後、ゴードン・クラークは
独立して、"Clark Form"社を設立。
均一で細かい発泡ブランクス、
欲しいサイズをすぐに作ってくれる
サービスの良さから、
常に業界トップブランドとして、
発展していました。

イソシアネートとは?

NCO基を持つ有機化合物で、
サーフボードブランクスの発泡剤以外に、接着剤、断熱材、人工皮革、
自動車部品などのポリウレタン製品に
使われています。

建材や家具などの接着剤としても
使われているため、
シックハウス症候群の原因物質の
一つとして知られています。
また、ポリウレタン、プラスチック、
接着剤などの製造に関わっている人の、職業性アレルギーの原因物質
でもあります。
皮膚や粘膜に触れると、炎症を起こしたり、過敏性肺炎、
アレルギー性喘息等